新規団員募集しています

灯台とスプーンのお知らせを、昨日発表して、さっそく連絡があったり、動いているなと思う。本当にありがとうございます。

せっかくだし、自分の頭の整理のために、灯台とスプーンのあれこれを個人的な記録として書いておこうかなと思います。

灯台とスプーンは、私が仕事を辞めてフリーランスになり、新しい脚本をなんとなく考えていたところに、安藤美由紀から声をかけてもらってできた団体です。学生の時に作った「水辺のアンシー」という作品に参加していた柳田詩織と三人で、2015年にもういちど演劇を、という初心にかえる気持ちで始めました。団体名を考える会議の時、全員で案出しをしたがぜんぜん思いつかず解散し、当時深夜3時まで開いていた国体道路のTSUTAYAをひとり放浪していたときに「灯台とスプーン」をいう劇団名を思いついて、その名前になりました。懐かしい。

それから、いろんな人の力を借りて、「狐/真夜中の共謀」、「まがいものの乙女たち」、「海をわたる獏」、「藪に坐る人」の大きく4つの作品を作って来ました。どの作品も、並んでいてとてもいいタイトルだなと自分で思う。そして次の「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし(仮)」急に長くなったけど、これもなかなかいいタイトルだと思う。

自分にとって作品のタイトルは、好きな本の背表紙を集めている感じがしていて、それだけで作品の空気を思い出せるようにしたいと思ってる。お話なんてすでに世界中に溢れているけど、まだまだいろんなタイトルを集めたいし、いろんな場所で上演がしたい。

灯台とスプーンの「演劇」らしからぬ部分も含めてたくさんの人に知ってもらいたいし、少しでも「灯台とスプーン」というものが渡ったらいいなと思っています。とくに、2016年に上演した「海をわたる獏」は、自分がどんなことを演劇で表現したいのか、どんな心を乗せるべきか知ることができた作品で、灯台とスプーン、としての存在意義をやっと少し感じられた気もしていて。

そんな中で、三人だけでは正直エンジンが少ないな、と思いながらこの二年程を過ごしていて、そこへ安藤のお休みが決まり、これはちょっと足りなくなるかもしれないと考え、新しく団員を募集するに至りました。むしろ、これまで三人でよくやっていたなとも思いつつ……。

私も団体所属というものをしたことがこれで初めてで、大学時代もホールが使えたから個人でいろいろ企画をして、岩井先生に無理を言ってさせてもらっていただけなので、「劇団運営」というものを知らなかった。(演劇部ですらなかった!)でも、やりたい気持ちだけでここまでやって来て、応援してくれる人も増えて、すこしずつ、できることが増えてきていると思います。

だから、正直な気持ちで、一緒にこれから生活と共に、いい作品を作っていける相談ができるひとと、進みたいなと思っています。だから正直、役者さんじゃなくてもいい。灯台とスプーンの、と一緒に名乗ってくれて、面倒な運命に巻き込まれてくれる方がいてくれたら、まずはうれしいなと。突然そんな関係になれるとは思っていないので、少しずつ、にはなると思いますが。

演劇なんてこの世の中でもっとも非効率なものかもしれない。でも効率的という言葉が賢くて好きだった10歳の私が20歳でひっくりかえって、乗り換えた。この非効率は人間を救うかもしれない、と思ったのです。

その船に一緒に乗ってはくれませんか。