ハロウィンの花嫁

昨日はコナンの新作映画を見た。本編にはほとんど触れないけど若干のネタバレがあるのでお気を付けてください。

いくつかの集団の思惑ラインが、大きな交差点のように最後集うというお見事な脚本で、そのちいさな集団の塊たちの動きにも無駄がなく、活躍があり(活躍しすぎてしまう人物への封じ手もあり)、かつその連なりによって感動させられた。警視庁人間ドラマとして奥行きを持たせる回想もとてもわかりやすく、繋がりもはっきりしており、ファンにとって愛着の深い佐藤・高木を動かしたのもとても素敵だった。1シーン1シーンが短くどんどん展開する中で、時間が止まるような美しいシーンが見事にいくつもあり、ものすごくオタクというわけではないのに、胸が苦しかった。コナン映画史上暫定最高傑作なのではと本当に思っている。

また、じわじわと変化を確認していた、コナンくんの人物としての描かれ方が明らかに変わった。佐藤刑事の「話を聞く」ときや、あのロシア人の登場人物に対する行動が、人に寄り添う姿になっており、江戸川コナン、工藤新一の、秘密を抱えながらときに出し抜くミステリであるべき「かっこいいけどちょっと嫌な奴」ではない、人間としてあなたの話を聞きますという、もちろん目的はあるのだが、目的のためにその行動をとるようになった新一の様子に、ものすごく感動してしまった。だって、日本を代表するようなでかいアニメ作品で。コナンくんが。と、終わってからもしばらく、あまりのうれしさに、その情報をうけとりきれずにいた。

映画恒例のつっこみどころはもちろんたくさんあるけど、ここまでピースがはまる美しさはなかなかない。また宣伝側が謎の女性人気投票などをしてそれが見事にさまざまな意味で炎上しており、おっと…と思ったが、映画そのものは本当に傑作だったのではと思います。みんなコナンのことが好きなんだな。

個人的にはバンプをまたオタクこじらせによりまっすぐ素直に聴くことができないのではと上映までに不安な要素があったが、エンディングは、タイアップとしてしっかりと降谷さんの歌を作ったんだなと解釈し、あむぴの心が、過去のくるしみが、どうかやさしい記憶たちによって救われますようにと思った。そして、そういう優しすぎる祈りが、もしかして作品にも影響を与え合っていたのかもしれなとか、思いました。