劇づくりと関係づくり

言葉を発すること、記すこと、伝えることは全て暴力になる可能性がある。自分が相手を傷つけたという実感をもつことで自分が傷つくのをおそれてしまうと、アウトプットにおそれが生じたり、誰かの顔色を伺うようなものを書いたり、射程距離の短いものになってしまう。 何年もかけて「とにかく強くなりたい」と言っていたのは、書き続けるために、傷つく覚悟をしなきゃいけないなということだったのかもしれない。と、「あめふりヶ […]

重さの違うこと

高校生の部活に混ぜてもらってる(外部指導で入ってるんだけど、こちらの方が表現として正しい)連休。一緒に作るのはたのしい。まだ「先生」扱いなので、早く先生ではなくなりたいと思っていつつも、そう簡単に関係性は構築できるものではないのでひとまずは変な大人枠として存在していようと思う。だれだっていつだって信じられる人と一緒につくりたいと思うから。バイク移動にも慣れてきたし、教室で作るえんげきは楽しい。 K […]

15才の絵

「こんなに長く生きられたので私たちは満足です」という親たちの穏やかな顔や言葉を忘れられない。小学一年生のとき初めてその子の家に遊びに行った。子供にとっては夢のような世界、私には与えられなかった、たくさんのポケモンのぬいぐるみ、ゲームソフト、たまごっち。私はそういうおもちゃが欲しくてもあまり買ってもらえない子どもだった。ただ、おもちゃがなくても私たちは水の公園に集まった。水の公園でみつけたアメンボ、 […]

温泉に行きたい

どちらかといえば引きこもっていたいし、だれも傷つけたくないし、わたしも傷つきたくない。夜中に作るスープはやさしい味、昨日飲んだレモネードはとてもすっぱくて、今日のランチのステーキはしあわせの味だった。一緒に食事をする人がおだやかだととても安心する。そんな相手を、傷つけてしまう可能性をいつだって秘めているのがこわい。いや、意図せず傷つかれた経験が多いからそう思っているだけで、安心していられる相手は私 […]

灯台下暮らし生活

情報公開がこんなにうれしく、こんなに緊張するものだったか、と、今日はいちにちとても不思議な感覚で過ごした。なにせとても久しぶりの情報公開だったから、そしてこの企画も一度は中止の可能性を相談していたものだったから、胸を撫で下ろすどころのさわぎではない。胸を撫で下ろす、と騒ぎ、は食べ合わせがおかしいな…と、また余計なことを考える。とにかく、書いてzoomでひっそり読み稽古を続けていた作品が、本当に上演 […]

身体のせいにしたくない

ここ数日心がとても不安定で、今日それが生理のためだったことに気づいたのだが、それでも生まれてしまったイライラや、しんどさや、辛さの原因が、ただ生理だったからだ、と、仕方ないよねと身体のせいにしたくない気持ちが大きくある。この感覚が、よろしくないことなのは重々わかっているから、自分以外の方の健康や精神状態に対しては、その通りだとわかっているつもりで、しかし、自分ごとになった途端に、この悩みや、怒りや […]

聖域としてのキッチン

風の気持ちいい夜だった。その日じゅうに出さなければならなかった書類を、郵便局のゆうゆう窓口で出せばいいとのんびりしていたらコロナの時間短縮営業でさっさと閉まったことに気づく。慌てて宅配便業者に連絡し、まだ空いていて受付が可能な店はどこかと問い合わせる。今年最大のしくじりをやってしまったかもと思うほどの凡ミスをおかし、震えながら、しかし事故るなよと独り言を呟きながら、行ったことのない営業所までバイク […]