ドクペルー「記憶を編む」WS 1st SESSION

福岡アジア美術館 第Ⅲ期 アーティスト・イン・レジデンス プログラム ドキュメンタリー映像制作ワークショップ「記憶を編む」に参加することになり、今日がその初日だった。ペルーのドキュメンタリーユニット、ドクペルーのお二人(ホセ・バラド、ヒメナ・モーラ)による、6週間のセッションを通して、ドキュメンタリーの企画から撮影・編集までを実際に行い、つくってみる、というWSで、企画をしている福岡アジア美術館は一昨年の福岡市文化芸術振興財団の「The first class」クリエイションで大変お世話になり、常設展の中で数えられないほどの日数を過ごし、本番をともにした場所で、個人的には並々ならぬ大好きプレイス(WS会場はあじびではなく、三の丸スクエア)。TFCでお世話になった方にも再会できてとてもうれしい。「記憶を編む」というタイトルも、個人的には親和性を感じ、どきどきしながら参加した。

ファーストセッションはドクペルーの映像作品を見たり、自己紹介をしたり、スケジュールについて確認をするという時間だったが、初回からおふたりの姿勢や、ドキュメンタリーにどれほど「かけている」か、本当のまごころというか、本当に人生をかけてそれをやって生きているんだというパッションが伝わる。「ドキュメンタリーは手法ではなく生き方である」「コミュニケーションや視覚化行為は権利であり、ドキュメンタリーは民主的なコミュニケーションである」

単なるエンタメではなく、記憶や、人権、公平性、というものを表現するための姿勢として、そして格差の大きなペルーで生きることに希望を持つひとつの手段としてのドキュメンタリーを、これから6週間かけて知りたいし、二人の考えていることや姿勢をできる限り吸収し、また交換することができたらいいなと思う。それにこの「単なるエンタメではなく、記憶や、人権、公平性、というものを表現するための姿勢」、は、自分の演劇に対する姿勢、どんな物語を物語りたいかの姿勢として近しいものを感じていて、昨年のEATIと同様に、ことばが通じなくともこの人たちのことは好き、と思える可能性がうれしい。ここで考えることや、さまざまなコミュニケーションに対して、楽しみで期待ができるなと思える初日だった。