#演劇なんていらない

去年公演が多数中止・延期・検討になり落ち込みの中で起こった文化系ハッシュタグ運動の様子にも疲れてしまい、皮肉&正反対の意味で #演劇なんていらない という発信をしかけた。議論するための場所にならないかなんて気持ちと、半分以上は自暴自棄になっていた。勿論ばかだなあ何やってんだと踏みとどまったんだけど、豊岡で本当にそれを言う政治家が現れて多数に支持されるという現実が来て、ああそうだよねと。本当にそうなんだよね。

演劇が必要じゃないと思うひと、がこの国では大多数だ。
というかアートが今まで必要なかったし、これからもいらないと思う人が大多数なんだ。仕事し、食べ、飲み、眠り、税金を滞納せず、異性と結婚し産み育て、家を建て、親を世話し、老後自力で生活する資金を貯める必要がある。できるだけ狂わずに。できるだけ暴力や理不尽な目にあわずに。それで精一杯。それすら思うようにできない国だから。疲れている。癒されたい。働きたくない。面倒臭い。でも怠け者と思われてしまえば生きていけない。先が見えない。

文化芸術は生きるために必要だ、と言われても、本当に今「生きる」に困っている人に必要なのは明日のパンであり、家賃を払うお金であり、体や心を復活させるためのケアでありそれにかかる医療費であり、もし万が一今の仕事を何らかの理由でやめてしまっても暮らせる余裕であり、そしてまた復活したら労働をせねばならなくて、まったくお前は一体何を言ってるんだ演劇を観て賃金が増えるのかよ、という、「演劇」がそろそろ生まれるんじゃないかと思ったりする。もうあるのかもしれないけど。あなたはいりますか?演劇。全ての文化芸術施設を破壊して皆が飢えない困らない国になるならそっちを選ぶんじゃないですか?なんてね。