なんども食べたいもの探し

なんども食べたいものってあんまりないなと思う。居酒屋にいくことはとても少ないけど、例えばそこでなんとなしに頼む唐揚げ、なんとなしに頼むサラダ、(福岡なら)胡麻鯖、明太出汁巻、、たしかにおいしい。たしかにおいしいんだけど、あれは一時的な幸せでしかなく、終わった後になにを食べたかよくわかっていない会はちょっと辛い。消費してしまったなどと思ってしまう。だから居酒屋にはあまり行かないのかもしれない。

演劇の打ち上げで行く居酒屋では、けっこう何を食べたかを覚えている。好きな人と行くからだとも思う。あの時のトウモロコシの天ぷらはおいしかったなあとか、鶏ハムのさしみとか、にんにくの串とか、そういう食べ物の記憶があると、元気になれる。ただしやっぱり、それを毎日食べていたら大変なので、居酒屋という場所は特別にしておく必要がありそう。まあ今すでに外食自体が少ないので、わざわざこうして文章にする必要もないのかもしれないけど。

最近はジャンクフードをあまり食べてない日々なのだが、ときどき現れるジャンク欲に対応するために、業務スーパーで冷凍の唐揚げを買ってきて、それにマヨネーズをかけてたべる、という低コスト高カロリーな居酒屋っぽい食べ物の選択肢を用意している。外食メニューを作り出す人は、この低コスト高カロリー高ナトリウムを基本に企画してると思っていて、疲れた脳みそにアドレナリンをドバドバ出させることを目標にしてるんじゃないかと考えたりする。ストレスが少なければ、アドレナリンはそこまでいらないから、やっぱり日本の外食産業は人々の疲労によって支えられているんだなどと。これはただの想像だよ。とはいえ塩と油は偉大だと思う。

そんななかで、なんども食べられるものを考えると、自分はやっぱりおいしい茹でた野菜とか生の野菜とかあんまり脂っこくないお肉とか、たまごとか、そういうものがあれば楽しいと思う。ときどき牛肉が食べられたらうれしい、とか。来月ぐらいにはまた天下一品とかを食べに行ってもいいかもしれないなあ。