自炊が美味しかった記録

なんとなくの取り組みで最高の結果を引き出せる可能性が高いものに、料理がある。最近、とても料理に対するモチベーションがあがっており、もちろん最優先は「楽であること」なのだが、「料理は手間をかける=美味しさが増す」わけではない取り組みなので、マイペースで満足を得ることができる。今日のご飯は、とてもよかった。コーンと豚肉を炊き込んだご飯に、茗荷とオリーブオイル、醤油であえたアボカド 、そしてサーロインステーキ(半額)。ちいさいビールとともに。ステーキが半額とはいえ高いため材料費が割高だが、それでも千円そこらで、いい店に飲みに行ったようなきもちにさせてもらった。いや、自分で作ったのだ。なんならお金とれるぞ、という謎の高テンションになった。うまくいかないことがおおいが、こういう料理が作れたのは、とてもよかった。

自炊のランクをあげて家で美味しいものを作るぞ、という気持ちになっている時は、毎日何を食べたいかなんとなくイメージがつきやすくなる。心が疲れている時はたいてい、何を食べたらいいのかわからないが義務感に駆られて食べる、という生活になりやすいが、作るサイクルができていると、「今冷蔵庫に鳥の胸肉があるな」といったことが基準になるし、自分でコントロールするぞという気概がもてて、むしろ元気になる。外で食べると塩分が多すぎるし、油も自分の好きなオリーブオイルを使えたらすこしは安心、みたいなところがあるし。なにより小さくスキルアップしていくたのしさがある。

お酒についてもいろいろと試しているが、やはり一番健康と気持ちに寄り添うのは135mlだけの一番搾りのようだ。いちばんのやつ。乾杯のグラスで「少しだけいただきます」の量なので、安心して飲めるし、これなら絶対に翌日に引き摺らない。しかもやすい体なので、家で一人で飲む分には、これでほどほどに酔える(すごい)。

まあただ、これだけのことをする心の余裕はやっと出てきたばかりだし(仕事はあるんだよ)、忙しい時はやっぱりできる気がしないので、むしろ自炊よりも自炊しようと思える時間と心の余裕、がなにより大切だなと思う。

今年は息をするように魚を捌けるようになる、という目標がある。最終的には、小料理屋スキルを身につけ、それを決して商いには使わず自分のため、もしくは友人や家族に振る舞えるようになろう。いまちょっと酔っ払ってるので調子に乗ってるごめん。ただ、このような取り組みに対するモチベのひとつに、椎名林檎先生のブログがあり、大好きな人間が大好きな人間に健康的ですてきな料理をつくっているまぶしさがある。最高なのよ。

ところでいま、急に音楽カテゴリで藤原基央さんの名が脳をよぎった。結婚のお知らせがあった日は、あまりの「芸能人扱い」に辟易とし、おなじみ優生思想ズのくだらない「DNAを残せ」文句や、軽率系歌詞解釈ズの「ベイビーアイラブユーだぜ!」にもうあらゆる壁に頭を打ち付けたくなる絶望を感じていた。勝手に作り手として怒ってしまうくらいにはBUMP OF CHICKENを愛しすぎている。

あのくさい歌詞が中二の私に寄り添ってくれていたんだもん。たしかに藤くんは椎名林檎同様、とつぜんいなくなられては困る存在で、できれば私が死んだあとも音楽をしていて欲しい、なんて思ったりするけどさあ、人間なんだよ、みんな。ひとりの人のさあ、有名だからってさあ、そんな希望で尊厳を奪ってはいけないよ。すでにもう与えられすぎているくらい与えられているんだから、ありがとう、でしょう、と、一昨日は思っていた。そういう言い聞かせをするくらいには、ちょっと寂しかったりびっくりしたりした、かわいい自分がいますね。だが、私と音楽の距離は私がきめるから、新世界の歌詞解釈はマジで、いやですね。本人たちのことばが出たら別だけど。