アオハルフラッグのこと

はためく、という言葉が好きで、どこが好きかというと、旗とか布とかがパタパタしてる様子のためだけに「はためく」という言葉があるというところから好きだなと思う。

劇団を「旗揚げする」とか「旗揚げ公演」という言葉は、正直そんなにしっくりきたことがない。一回公演をするということに対して、わざわざ「旗を揚げる」ほど大きなことをしていない印象があるからかもしれない(いや、とっても大きいことなんだけど)。自分ごとで考えると「そんな〜大仰な〜〜」って思ってしまうんだろうな。使われているから使う、って感じ。灯台とスプーンの「旗揚げ公演」は、狐の話だったのだけど、「油揚げ」とかいうふざけたワードが出てくる。関係ないけど。

それに対して、YUKIのうた「フラッグを立てろ」はすごくいいと思う。「旗揚げ」が国旗掲揚っぽいのに対して、「フラッグ」は「立てる」もので、よっぽど旗揚げ公演っぽい。フラッグアップとかキックオフとかそういう言葉の方が若手にとってはしっくりきそうなイメージがある。歌もとても好き。

小田憲和監督の「アオハルフラッグ」という、青春ラブコメ映画の上演が7月6日に迫っていて、脚本で関わらせてもらってる。タイトル出しの段階で「フラッグを立てろって曲が好きなので、そういう爽やかな、でも女の子がちゃんと戦って頑張っているおはなしにしたい」みたいなことを言ったら、じゃあ青春ものだしという流れでものすごく早くタイトル決定して、ちょっとあわてた思い出がある。いつも作っているやり方と全然ちがうし、でも監督の過去作品(コメディもの)イメージと相性がよさそうだし、という天秤に揺れてソワソワしながら書きました。相談しながら書かせていただいて、条件はたくさんあったけど、やりたいこととか含めたいシーンなど入れられて、楽しかった。

映画を少し見せてもらったけど、脚本以上に味付けされたり、現場で追加されたシーンもあって、俳優さんたちがそれぞれ自分の旗を立てて、本当にみんなではじめてのことを成し遂げようとしているように感じ「これがまさに旗揚げ公演じゃん…」と言いたくなる映像になっていた、と思う。爽やかだし、たたかっている。全編通して見るのがたのしみだ。私にとってもはじめての映画脚本だしね。